2018年02月27日

ケクチ語の古(めの)文書

ケクチ語で書かれたものを幅広く集めております。ケクチ語の読み書きは、スペイン人が16世紀後半にラテンアルファベットを持ち込んできてから始まっていまして、それ以前に「マヤ文字」で書かれたものはありません。古いものは、ペンシルベニア大学の図書館にたくさん収められていまして、ネットを通じて見ることができます。

http://dla.library.upenn.edu/dla/medren/index.html

これらの文書を集めた研究者の生涯は、こちら。プロイセンから亡命した人や、調査に行ってそのまま帰ってこなかった人がいれば、典型的な「安楽椅子」人類学者・考古学者もいて、19世紀後半から第一次世界大戦前の時代の雰囲気を具体的に感じ取ることができます。

Karl Hermann Berendt (1817-1878)
https://en.wikipedia.org/wiki/Karl_Hermann_Berendt

Daniel Garrison Brinton (1837-1899)
https://en.wikipedia.org/wiki/Daniel_Garrison_Brinton

Robert Burkitt (1869-1945)
http://dla.library.upenn.edu/dla/ead/ead.html?q=kekchi&id=EAD_upenn_museum_PUMu1102&

同じくグアテマラで話されていて、話者が比較的多いマヤ言語として、ケクチ語のほかにキチェ語、カクチケル語、マム語が挙げられます。その中で、『ポポル・ブフ』の書かれたキチェ語や『カクチケル年代記』の書かれたカクチケル語と比べて、ケクチ語がその書き残された文書の質・量においてやや足りないことは否めません。スペイン人が侵入した当時、キチェやカクチケルと異なり、集権的な統治体制が整っていなかったのがその一因かもしれません。あるいは、植民地支配体制において、周縁的な場(地理的にも政治経済的にも)にあったことも、その原因として考えられます。キチェやカクチケル、あるいはポコマムといった言葉と比較しながら、どのような内容がどのように残ってきたのか、コツコツと見て行きたいと思います。

posted by Ken at 18:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月23日

国際母語の日

2月21日は、UNESCOによって「国際母語の日」とされています。

https://ja.wikipedia.org/wiki/国際母語デー

バングラデシュでは、自分の母語に殉じて亡くなった学生たちをしのび、あらためてベンガル語の大切にしようと誓う、国民的な行事が諸々行われるようです。私が仕事をしている大学でも、バングラデシュの留学生がイベントを企画しまして、私にもグアテマラの言語について話してくれと声がかかりました。

50人くらいの参加者のほとんどすべてが理科系の留学生で、そもそもグアテマラはどこにあるのかの説明から始める状況で、短く済ませなければならない発表は、正直難しいものでした。しかし、日本でバングラデシュの学生のお膳立てでグアテマラの話題に多国籍の聴衆が耳を傾けるというのは、なかなか興味深いものでした。
posted by Ken at 08:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

wikipedia上のケクチ語

ケクチ語の研究に関してアップデートするために、まずは手っ取り早くwikipediaをみてみます。残念ながら、日本語の記事はありませんでした。

https://en.wikipedia.org/wiki/Q%27eqchi%27_language

こちらは、話者の方の記事。

https://en.wikipedia.org/wiki/Q%27eqchi%27_people

言語に関しては、英語の辞書が出版されていることがわかります。ネットで資金を集めた成果のようですね。話者に関しては、"Latin American Perspectives" に新しい論文が掲載されています。

言語の記事の"text"の節に、[citation needed]とありますが、ここは私がsourceになるべきものを創らねばならないのですね。
posted by Ken at 00:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月14日

ケクチ語入門今昔 その2

私がケクチ語の勉強を始めた頃にも、すでにYoutubeは存在していて、確か最初に見た映像がこれだったと記憶しています。

https://www.youtube.com/watch?v=FjeMDvCdrtc

Youtubeも、最初は面白ネタ提供プラットフォームのような捉え方をしていましたが、あれからGoolge傘下に収まって、すっかりグローバル資本主義を推進するエンジンの一部となった感があります。そんなYoutubeですが、ケクチ語講座の映像が上がっていました。

1. https://www.youtube.com/watch?v=_J2n0zF3Mh8
2. https://www.youtube.com/watch?v=Uk1p7OyqW0s
3. https://www.youtube.com/watch?v=INopZ7BeyOY
4. https://www.youtube.com/watch?v=5Cr204KPajI
5. https://www.youtube.com/watch?v=v3CEpf9ogQc&t=92s

昨日の教科書と合わせて、ネットを通じてケクチ語の学習が日本でも気軽にできるようになりました。インターネットの普及が少数言語にどのようなインパクトをもたらすのか、興味深いテーマです。
posted by Ken at 23:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月13日

ケクチ語入門今昔

私がケクチ語の勉強を始めた時に使った教科書は、Carlson, Ruth and Francis Eacus. "Aprendamos Kekchí" (1980)という本でした。出版元はSummer Institute of Linguistics (SIL) という、キリスト教布教のために少数言語の研究を精力的に行なっているNGO(というくくりで良いのか?)です。十数年前、この本の入手法をSILに問い合わせたところ、「倉庫にたまたま残ってた」みたいなノリで送ってくれました。もちろん、お金は払いましたよ。

今、きっかけがあって調べてみると、なんと無料でダウンロードできることがわかりました。十数年前のあの「運良く入手した」感は、テクノロジーの発展で昔の思い出になっていました。まあ、いいことなんですけどね。

https://www.sil.org/resources/archives/26290

もちろん、この本の出版以降もいくつかケクチ語の教科書が出ていますが、教育的な配慮が一番なされているのは相変わらずこの本だと思います。古い正書法を使っているのが難ですが、新しい正書法との対応を覚えるのに大した苦労は要らないので、この本の実用性を打ち消すほどではありません。というわけで、ケクチ語学習のハードルは確実に下がったことですし、ケクチ語の勉強を始める人も増えるのではないでしょうか。と言いつつ、多分他のマイノリティ言語も教科書がより入手容易になっていて、何もケクチ語だけ、ってことなのではないかと思われます。
posted by Ken at 23:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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